9/13 なでしこリーグ２部第２０節 AC長野パルセイロ・レディース 4-1 ノジマステラ神奈川相模原「戦いはこれからだ」

突然だが「リベリオン」というSFアクション映画をご存知だろうか。

詳しいあらすじは置いておくが、この劇中に「ガン=カタ」という架空の武術が出てくる。
膨大な銃撃戦のデータを元に、敵の死角に回り銃弾を回避しながら銃や体術による攻撃を加えるというものだ。

思うにパルセイロ・レディースは、このガン=カタを習得しているのではないか。
そんな突拍子もない考えを抱いてしまうほど、この日の試合はステラのパスやシュートのコース上にことごとくパルセイロの選手がおり、回避するかわりにやはりことごとく自陣のボールへと巧みに入れ替えられてしまった。
まさに膨大なデータを元に「この状況で相手はこう動いてくる」と打つ手打つ手を読まれているようであった。
またこちらがいったんスライディングやチャージでボールを奪ったかのように見えても、パルセイロの選手はスピードを緩めず進んでいこうとするので、幾度と無くボールは彼女たちのもとに戻ってしまう！（3点目4点目はこのパターンで見事に決められた）

もちろんこれは横山久美選手を始めとしたスピード・パワー・テクニックに優れたメンバーが居るからこそ可能なことであり、ここに来て守備陣にケガが相次いでいることと無縁ではないだろう。
いずれにせよ結果的に、今日のパルセイロはステラに勝ったのだ。優勝を確実にしたのだ。

一方でステラもついにパルセイロから「流れの中で」ゴールを奪い、また後半はチャンスを減らす代わりに1失点に止め、より進化した戦いができることを示した。

気がつけば秋である。収穫の季節である。
残りは6試合、入れ替え戦を確実にする戦いになる。

試合後、パルセイロに移籍した大宮選手が、挨拶のためゴール裏までやって来た。
「自分の声で伝えたい」とトラメガを断り肉声で呼びかけた言葉は力強く、彼女自身の決意が滲んでいた。

挨拶を終え、パルセイロへと戻っていくその隣では、

クールダウンをするステラの控え組。
大宮選手の、パルセイロの、そしてステラの歴史がまた明日から紡がれていく。
戦いはこれからだ。