敗れはした。だが涙はない。笑顔がある。
それだけの価値があることをこの日、この時が来るまで、選手たちはやり続け、サポーターは見届けてきた証だ。
試合の評価については、この中継テロップ1枚で足りる。
それだけの差がありながら、同じ「リング」に立っただけで、こちらはもう十分であった。
リーグ女王相手に決勝戦で最後まで走りきったなんて、6年前の自分に言ったら信じてもらえただろうか。
キャプテンの尾山沙希選手は、これが現役最後の試合であった。
同期の長澤選手、是川（旧姓・井上）選手も引退。
創設時からのメンバーは、吉見選手1人になった。
尾山キャプテン…さっちょんはいつも、チームの先頭にいた。
（2012/6/3 大沢FCレディース戦）
初の公式戦でも。
（2012/11/10 SHC FC戦）
土のグラウンドでも
（2012/11/4 ノルディーア北海道戦）
チャレンジリーグ（現・なでしこリーグ2部）に昇格が決まった試合でも。
（2015/12/12 スペランツァ大阪高槻戦）
1部に上がれなかった試合でも。
（2016/10/8 セレッソ大阪堺レディース戦）
1部に上がれた試合でも。
（2017/10/7 INAC神戸レオネッサ戦）
1部に残れた試合でも。
その軌跡をたどるだけで、チームの歴史が見えてくる。
たった6年でこんな波瀾万丈な選手人生を送れたサッカー選手は、世界でもそういないだろう。
ありがとうさっちょん。
ありがとう尾山キャプテン。
不滅のナンバーナイン。
リニアができたら、故郷の奈良からは1時間足らずで相模原に来れる。
その時はまた、ギオンスタジアムに顔をのぞかせてくれると嬉しい。