■日本体育大学女子サッカー部 1-2 伊賀フットボールクラブくノ一
当事者として行くはずだった試合を、傍観者として見るという経験もまた、貴重といえば貴重なものです。
伊賀さんはウォーミングアップでは固さが見られたものの、試合が始まれば一転、トップリーグのチームらしい体の使い方やボールの詰め方を見せ、後半ATにハーフウェーラインのすぐそばから素晴らしいロングシュートを決めて、最後の最後で勝利を手にした。
日体さんもボールを支配されつつ最終ラインでしっかりと弾き返し、ロングパスで裏を取る展開からの先制を見せてくれた。
拮抗した試合を眺めながら、「ステラなら決めてるかな」「ステラだとやられてるな～」という気持ちが複雑に行き交う90分だった。
今年のいつごろだったか、ステラの試合前にチラシを配っていると、ポール・マッカートニー日本ツアーのＴシャツを着ていたおじさんが居た。
ちょうど全公演キャンセルが決まった後だったのでチラシを渡しながら「残念でしたね」と声をかけると
「また、ポールが来たら行けばいいんです」
と落ち着いた返事が返ってきた。
その域に達するまでどれだけの思いをしてきたかはわからないし、ポールだってもう72歳だから悠長なことも言ってられないんだろうけど、
「また、行けばいいんです」
という心が、いまは頼もしく見える。
試合後、横断幕を下ろす伊賀の選手たち。
サポさんに聞いたら、自分で掲げて自分で下ろすんですね、伊賀の人たちは。
