2014チャレンジリーグ最終節・スペランツァFC大阪高槻戦レビュー「そしてこれからも」

前日に日体大が勝ち点51の2位でフィニッシュ、49のステラは最低でも勝たなければ入れ替え戦進出も消える最終節。
様々な想いを背負って始まった試合は前半2分、CKからの混戦を押し込まれて先制を許すと、17分には高いクロスからのヘディングを決められて2点差に。
ステラに前節見られたような固さはなく、何度かチャンスも巡ってきたものの、前半は0-2で終了。

山深いスタジアムには試合前から時折激しい雨が降り、霧が立ち込める。
これまで何度も流れを変えてきたDF2吉見選手は、脚のケガが直らずベンチにも入れなかった。
だけど不思議とゴール裏も、メインスタンドも、ステラサポーターのテンションは下がらなかった。

やけっぱちになったのとは違う、全力を出し切って3年目のシーズンを終えようという思いが満ちていた。

すると後半から左サイドでステラがFKを得るシーンが増え（結局直接FKは前半4本に対し後半12本）、それと共にまるで一歩一歩ゴール裏に近づいていくかの様にラインが上がっていく。
そして後半12分、相手のクリアボールを拾った9MF尾山選手が鮮やかにシュート！
さらに18分、今度も尾山選手が10MF大宮選手のボールを受けて同点ゴール！

（10/26のtvkニュース930αより）
有限実行。さすがキャプテン。

その後はものっすごく惜しい場面が何度も訪れるなどステラの押せ押せムード。
スペランツァも5点差で負けない限り優勝も昇格も盤石だったのだが、そんなことではなでしこリーグに残れないと体に刻み込まれているかのように、全ての力を振り絞っていく。
両チームから足が攣る選手が出る雨中の死闘は、サイドを割ったボールを菅野監督が手にしたと同時に、ホイッスルが鳴った。

試合終了後、ゴール裏へ挨拶に向かうステラの選手たち。
嬉し涙と悔し涙の違いはあれど、挨拶の後こらえきれずにシャツを頭まで被って泣いていた選手を慰めたのは、2年前の昇格決定戦で挨拶前から号泣していた先輩選手だった。
そこにチームの歴史と、積み重ねが見えた。

背後では昇格に湧くスペランツァの選手とサポーター（挨拶をしてるのが元ガンバの本並監督）。
おめでとうございます。

2014年のチャレンジリーグは勝ち点で2、順位で1位アップして3位でのフィニッシュとなった。
一昨年の達成感、昨年の充実感とはまた違った、手放しでは喜べないけど「ここまでやりきった」結果を噛みしめる、思い出深いシーズンだった。
去年見られた大量得点差での勝利が減ったのは、各チームの戦力差があまりなくなってきたからだろう。
来年からは、なでしこリーグ2部。
昇格基準や参加チーム数はまだ発表がないけど、より厳しくなるのは間違いないと思う。

でも今のステラの成長力は、それを上回るだろう。

これまでも。そしてこれからも。
ノジマステラのサッカーは続く。