大富豪同人物語：Web連載版

――日曜昼下がり。クラブセガ渋谷でバーチャ４を遊ぶ……
クリス「あ〜負けちゃった。でもとうとう初段になれたわ！長い道のりだったなあ。よし、記念に今まで取っておいたシークレットチョーカーを、Ｊ−ＰＨＯＮＥのＶＦ．ＮＥＴで装着！サウンドトラックやＰＳ２版も楽しみね」
――そこへ着信。
クリス「あぁもう！こういう時に限って掛けてくる人いるのよね…（発信者名を見る）…なんだ、オバさんか」
ぷぢ子「シカトしてねえで出ろよオラァ！」
クリス「えっ。まだ着信ボタン押してないのに、なんで」
ねじ子「ホホホホ！同人女の電話力（でんわちから）を舐めてもらっては困るわよ！（海老沢部長の声真似で）
クリス「なんですか一体」
ぷぢ子「いま時間ある〜？ていうか今からうち来いや」
クリス「はぁ。確かに時間も空いてるし、ここから近いですし」
ねじ子「あと今週のチャンピオンもよろしくね。表紙でわかると思うけど」
クリス「なんでそんなことまで」
ぷぢ子「パシリの基本は漫画なんだよ漫画！快楽天買わされないだけラッキーだと思えや！」
クリス「はいはい（……快楽天は買ってるんだけどな。表紙かわいいし）」
――三軒茶屋。ぷぢ子の家。
クリス「おいお前ら！頼まれたやつを買ってきてあげましたよって、うわっ！」
――１２畳の自室いっぱいにポテチ・えびせん・コーラ類を並べてむさぼり食う、ねじ子とぷぢ子。
ねじ子「おー来たか〜。まぁこっち来て一杯やれや！」
ぷぢ子「もう今日からダイエットコークなんか飲まないぞ！砂糖１００％のキッツイやつをグビグビやるぜ！学生時代に封印していた寝食いも復活だ！」
クリス「失恋でヤケ食いですか？」
ねじ子「ぷーくすくす！処女にそんな心配されたくないわよね〜」
ぷぢ子「そんな天ぷらそば食べたみたいな口して言われてもね〜」
クリス「リップグロスですよ」
ねじ子「んまっ！最近の子供はなんておマセさんなんでしょ！」
ぷぢ子「まったくですわね！あぁいやらしいいやらしい！」
クリス「この部屋、お兄ちゃんに写メールしようかな」
ねじ子「それはたいへんにつらい」
ぷぢ子「オレ漏れも」
クリス「説明して下さい」
ねじ子「このニュース読んだ？」

男性は「やや太め」が長生き、厚労省調査で判明
＞女性では、ＢＭＩ１９―２４・９が最も死亡率が低い。
＞２５を超えると死亡率が上昇し、３０以上では１・９１倍となる。
＞逆に１９未満の「やせ過ぎ」でも１・９４倍に死亡リスクが高まる。
＞ＢＭＩ（ボディー・マス・インデックス）
＞体重（キロ・グラム）を身長（メートル）の２乗で割った数字。
＞最も死亡率が低いとされた２３―２６・９は、身長１メートル６５の人だと
＞６２・８―７３・５キロ・グラム。病気になる確率が最も低いと言われる
＞標準的なＢＭＩは２２。２５以上は「肥満」で、厚生労働省などでも２５未満を推奨している。

ぷぢ子「つーことでな、オレ様は１５５センチの３５キロだったから
３５÷１．５５÷１．５５＝１４．６
このままだと明日にも早死にしちゃうわけよ！」
ねじ子「オレ様は１６３センチの４０キロだから
４０÷１．６３÷１．６３＝１５．１
たいへん！これじゃあ美人薄命そのものよ！」
ぷぢ子「という事情で、オレたち急いで太ろうとしているんだよ〜」
ねじ子「小デブのあんたが心底うらやましいよね〜」
クリス「えーと、私は１４５センチで３９キロだから１８．６か……って、すみません、お二方どう見てもそんな風には」
ねじ子「あらあらたいへん！この子受験勉強のやりすぎで視力が落ちてるわ！」
クリス「うちの学校は中高一貫ですよ」
ぷぢ子「太りすぎで頭がおかしくなったのかしら」
クリス「マジで写メールしますよ？」
ねじ子「白状します。別にこんなことしなくても、長生きできるランクでした」
ぷぢ子「白状します。むしろＢＭＩ＝２５越えを気にすべきかも知れません」
クリス「だからそんなに手の込んだ見栄を張らなくても……まあ、せっかくだからお菓子いただきますね」
ねじ子「あぁ、お食べ。むしろあんたの方が心配だよね」
ぷぢ子「この際だからもっと太れや。特に、この辺な！（乳を叩く）」
クリス「痛ッ！」
ねじ子「あれ？」
クリス「いますごく痛いんだから、やめてくださいよ」
ぷぢ子「ひょっとして、先っちょの辺にしこりとか？」
クリス「そうです」
ねじ子「ああそうか、とうとう来たか〜」
ぷぢ子「これから来るね。ムクムク〜っと来るね」
クリス「？」
ねじ子「それ、もうすぐおっぱいが大きくなるサインよ」
クリス「そうなんですか？てっきり病気じゃないかって悩んでた…」
ぷぢ子「安心しろや！乳がバイーンて張って来たら、お前も小デブ同盟の仲間入りだ！思春期の小デブは、ダイエットの必要がない健康な小デブだぞ〜。バカ男子がからかってきたら殺してもいいんだよ。タマキンもぎ取って」
クリス「あんまりうれしくないなあ」
ねじ子「今度、フィッティング手伝ってあげようか。ここでサイズとかキチっとしとかないと、あとあとになって垂れて来るし」
クリス「お願いします」
ぷぢ子「仲良き事は美しき哉……まあオレ様は思春期がまだまだ続いてるから、ダイエットだって必要ないわけであって」
ねじ子「それで自分の分身＝オリキャラが大活躍しちゃう、香ばしいパロ本なんかお作りになってるわけですね？」
ぷぢ子「もうそれは卒業します。今年で３０だし」
クリス「３０ぎりぎりまでそういうの描いてるのもどうかと」
ねじ子「しかもカットの脇に『デッサン狂ってる』『下手ですみません』『時間ないんだよ〜』とか読み手にとってはそんなこと知ったこっちゃない、むしろ聞きたくねえよそんなクズトーク、みたいなスっとぼけた言い訳を」
ぷぢ子「もうそっとしておいてくれよ……」