大富豪同人物語：Web連載版

――日曜日昼下がり。マンション「エクスカリバー有明」最上階。
ねじ子「こんにちわ〜お昼作りに来ました〜。豪さん、起きてる？」
豪太郎「あ、おは…こんちわ。いま、起きたところ」
ねじ子「おや珍しい」
豪太郎「ゆうべも遅くまでスケッチしてたんで……」
ねじ子「あらー、胸像まで買って。かなりハマってるのね」
豪太郎「ねじ子さんに言うのもなんだけど、絵を描くっておもしろいねえ」
ねじ子「いやー本格的にデッサンからやるなんて、私も見習いたいわ。んじゃ、ご飯作るから待っててね」
――キッチンにて。
ねじ子「さすが血は争えんね〜。フツー、始めて半月であそこまで描けないよ。私もがんばんなくちゃ…おっと、まな板どこなんだまな板。人んちの台所は使いにくいんだよなあ。自分ちのは使ったこともないけど。さて。……おー、奇跡的に今日は食えそうなメシになってきたぞー。前回の味噌風味ホワイトシチューは大失敗だったから汚名返上の一品、と。しかしこんな風にご飯作って食べてテレビ見て帰る日曜って……いかんいかん！今年も全然イタせぬまま夏が終わってしまう！あの人ガッつかないからわからないけど、結構そっち方面、ガマン入ってるんじゃないかしら？落ち着いてるとは言えまだ二十八歳、若い汗だってダラダラ流れてる年頃……むう〜ここはひとつ、アピールをしておかないと」
豪太郎「ねじ子さーん、ワインはいつものでいいんだよね？」
ねじ子「そうよ〜ウフフフ〜ん」
豪太郎「いやな予感が」
ねじ子「お・ま・た・せ〜。大出血サービス、裸エプロンとはひと味違う、ラ・ン・ジェ・リ・イ・え・ぷ・ろ・ん！（はぁと）」
豪太郎「（比較的冷静に）はぁ」
ねじ子「ランチもおいしいけど、私もた・べ・て！そしてその後はモデルも！」
豪太郎「（引き続き冷静に）え、何の？」
ねじ子「いやぁねえ、デッサンのモデルよ！」
豪太郎「（さらに冷静に）そうなの」
ねじ子「そそそうよ。きょきょ今日は最初だからラララランジェリーだけど、今度はちゃんとヌヌヌヌドヌドヌドヌドドドードードー」
豪太郎「ねじ子さん落ち着いて」
ねじ子「だよ！」
豪太郎「気持ちはありたがいけど」
ねじ子「ダメなの？やっぱり私って性的魅力ゼロ？やっぱりオパーイがズギューンとかツーケーがパンパーンとか、そんなんじゃないと男子って勃たないの？」
豪太郎「いやその、そういう話じゃなくてさ。この後はねじ子さんの秋服でも買い物に行こうと思ってたんだよ」
ねじ子「ほんとうに？」
豪太郎「ああ。それと、今年はそういうブラが流行なのかい？それだったらついでに買っておこうよ」
ねじ子「え？」
豪太郎「ほら、背中んとこ。メッシュになってるのは暑さ対策？」
ねじ子「……ゲベッ！なんで彼氏の家にこんな糸の抜けたブラ着てくるかオレ！これじゃあ勝負ぱんつじゃなくて不戦敗ブラだよ！あああオレ様のバカバカ！」
豪太郎「はいはい、じゃいつもの店でフィッティングだね」
ねじ子「（うつむいて）そーですね。うううっ。冬コミの申し込みが終わってから公私ともにボケ倒しっぱなしだわ。うううっ」