大富豪同人物語：Web連載版

――日曜日夜。新横浜の居酒屋「新大阪と同じくらいなんにもありません」にて
ねじ子「まことに無念ではあるが！」
ぷぢ子「準優勝おめ、でとう！」
ねじ子「いや〜出会い頭みたいな１点がなければ、延長まで粘って、こう……」
ぷぢ子「後半いきなり動きがよくなったから、きっとハーフタイムにイタリアのあいつから激励の電話が届いて、こう…」
ねじ子「これでまた０−５だったら、衛星アンテナぐっしゃぐしゃどころじゃなかったが」
ぷぢ子「まぁお互い、全裸で応援した甲斐があったよな」
ねじ子「表彰台の日本代表、いい感じでふてぶてしいツラだったよね」
ぷぢ子「よかったよね。日本代表スポーツチームのキャプテンが、金髪ピアスにアゴヒゲっていうのがサイコーだよね」
ねじ子「わはははっは！天パ解禁の次は坊主撲滅だな。ストイックなのもいいけど、そろそろ方向性変えないとさ」
ぷぢ子「けどよ、ひとつ疑念が」
ねじ子「なんだよ」
ぷぢ子「各国ともレギュラーがあんましいなかっただろ？」
ねじ子「歴史の浅い大会だし、まだクラブチームによっては優勝争いしてるし。ヒデみたいに」
ぷぢ子「だけじゃないと思うんだよ。来年Ｗ杯だろ？手の内見せたくないだろ？」
ねじ子「多少はそうだろうなあ」
ぷぢ子「だからさ、すんごい秘密兵器な選手を、この期間ずっと山ごもりで特訓させてるんじゃないかって」
ねじ子「そんなバカな事が……ある様な気がしてきたぞ？」
ぷぢ子「いまこうしてる間にも、世界各地でそんな秘密の特訓が行われてるんだよ。アルプス山中で三ヶ月絶食させたヒグマと足技だけで戦わせたり、サバンナで血に飢えた雄ライオンにタックルしたり、シベリアの永久凍土を拳で叩き割ったり……」
ねじ子「だんだんサッカー選手と言うよりどっかの改造人間か聖闘士みたいな展開になってきたけど」
ぷぢ子「日本代表がこの特訓を上回るためには、やはり第六感を越えた『セブンセンシズ』に目覚めないと…」
イリア「ピピーッ！イエローカード！正しくは『セブンス・センス THE SEVENTH SENSE』です」
ぷぢ子「来やがったな、夢もでかいが胸もでっかいドイツ娘が！まぁオレ様には負けるがな！ガーハハハ」
ねじ子「生真面目な性格の一方で、いったんタガがはずれるとエロが止まらないところが、サッカー大国ドイツたる所以ね……」
イリア「どうでもいいけどＢ級バカエロ映画のナチ収容所モノって、ドイツでは作ってないよ」
ねじ子「え！そうだったの！てっきりイリアの両親も、思春期にはああいうものを見てフガフガ言ってるものだとばかり…」
ぷぢ子「お前ヨーロッパサッカーどうこう言う前に、ちったぁ勉強しろよな」
ねじ子「あ、言ったな！お前だってアマゾンがアフリカにあると思ってただろう。三十過ぎるまで」
ぷぢ子「うるせーっ！きっとヨーロッパのフーリガンにも来年東京に行こうとして北京や上海に来るやつ、山のようにいるぜ！『日本と中国は地続きだから、そこからヒッチハイクだ！』とか思ってるバカどもがよ！」
イリア「ん〜。その可能性は、否定できないな〜」