大富豪同人物語：Web連載版

――日曜日。けだるい寝起きのねじ子。
ねじ子「ふぁ〜おなか空いたなあ。でも雨も降ってるし、コンビニ行くのもかったるいなあ……。これじゃ『けだるい』というより単に『だるい朝』だなあ」
――携帯、鳴る（着メロ＝ムーンプリズムパワー・メイクアップ！）。
ぷぢ子「おお、起きてた？」
ねじ子「何時だと思ってんだよ」
ぷぢ子「１１時だよ。また深酒したんだろ」
ねじ子「そう最近次の朝に残るようになっちゃって……って、いいじゃんか別に」
ぷぢ子「部屋の前まで来てるんだよ。昼飯もまだだろ？弁当持ってきたから開けてくれや」
――ぷぢ子、でかい包みを持って入ってくる。
ねじ子「え！ご飯、そんなにあるの？」
ぷぢ子「それはこっち。これは、ドリームキャストカラオケ」
ねじ子「家庭用なの？」
ぷぢ子「そう。棚卸しで不良品処分だったやつを修理してきたの。最近ではテレビショッピングもやってるんだ。せっかくだから、スレイヤーズ主題歌メドレーやろうぜ」
ねじ子「……」
ぷぢ子「どうした？」
ねじ子「言わなかったっけ、私歌ヘタなの」
ぷぢ子「初耳だよ」
ねじ子「すんげえヘタなんだよ」
ぷぢ子「あんたがそこまで言うんだから、相当だな」
ねじ子「なまじ声がアニメっぽいから、みんな期待するだろ？即売会の帰りとかオフ会とか、マイク回って来るんだよ。んで、歌い出すと周り全員、歌本読み始めたりメール打ち始めたり……」
ぷぢ子「誰だってそうだよ、人が歌うのはあんまり聞いてないんだよ」
ねじ子「じゃあ、聞いてくれる？」
ぷぢ子「ああ」
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ねじ子「ぷぢ子、起きて！目を開けて！」
ぷぢ子「プゲゲゲゲゲーッ！」
ねじ子「みぞおちにパンチ！」
ぷぢ子「ウゲーッ！……し、失神してた？あたし」
ねじ子「やっぱり、どヘタなんだ私」
ぷぢ子「ここまでひどかったとはなあ」
ねじ子「ひっくひっく……」
豪太郎「泣くことはないさ！」
ぷぢ子「あら、大将。今日もマメですね」
豪太郎「僕が毎日ヒマなのは組織がちゃんとしていて指示がいらないからであって、別に窓がない部屋を社長室って呼んで満足してるわけじゃないぞ〜！」
ぷぢ子「誰に向かって言ってるんですか？」
豪太郎「というわけで、デュエットだよ、ねじ子さん」
ねじ子「え？」
豪太郎「こんないい声をしているけど、やっぱり僕も歌に自信がないんだ。だから二人で歌えば自分の声なんて、ぜんぜん気にならないさ」
ねじ子「ほんとう？じゃあ『突撃ラブハート』を」
豪太郎「いいね。『俺の歌を聞けーッ！』」
ねじ子「♪レッツゴー突き抜けようぜ……」
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――この一瞬、太陽系第三惑星は宇宙から消滅した。
ぷぢ子「原作版『マーズ』かよ」