大富豪同人物語：Web連載版

――例によって日曜の昼下がり。お台場ヴィーナスフォートにて、待ち合わせ中のねじ子。
ねじ子「（暇つぶしにスポーツ新聞を読んでいる）『オリックス谷選手　熱愛バレンタイン！』か。いやぁ、彼女に自分の意志とは無関係に股を開く日がやってくるなんて……私にも彼氏ができるわけだ。しかしイリアさん遅いな……」
イリア「お待たせ」
ねじ子「よろしくお願いします。でも、こんなナイスバディな人にフィッティングお願いするなんて、気が引けちゃうな」
イリア「じゃあぷぢ子さんに頼めばよかったのに」
ねじ子「ダメです！ヤツに頼んだら自慢ばっかりで話が進みません」
イリア「そう？まあ、行きつけの店でよかったら案内するわ」
――ランジェリーショップ「ライトニングアマゾネス」
ねじ子「うっ。品揃えを見ただけで心臓が」
イリア「予算は大丈夫なんでしょ？」
ねじ子「いや、それはいいんですけど、その、サイズが。大きすぎて」
イリア「あ〜なるほど。じゃ、まずはこの辺からやってみましょう」
ねじ子「ムリですってば。余りますってば」
イリア「……俺のこの手が光って唸る！こいつを着けろと輝き叫ぶ！必殺！シャァァァイニングゥフィッティングーッ！」
――むぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅ〜。
イリア「ほら、ぴったり」
ねじ子「うわぁお」
イリア「たぶん恥ずかしがって適当なの選んでひょいって着けてたでしょ」
ねじ子「はぁ」
イリア「それじゃダメです〜。全身の肉を集める感じでキメんとダメです〜」
ねじ子「しかし気合い入りますね、これだけ集めると」
イリア「顔つきも変わるってもんよ。どうせだからもう少し選んどく？」
ねじ子「お言葉に甘えて」
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ねじ子「うふふふふ〜。いままで着たことなかったけど、いいっスね原色系は！」
イリア「案外肌白いのね。似合うじゃない」
ねじ子「これ、色違いで３セットお願いします」
イリア「あらあら。そろそろ６桁になっちゃうけど。代金」
ねじ子「これ着たまま逃げるってどうスかね」
イリア「そんな、真顔で相談されても」
ねじ子「くそ〜一皮むけるチャンスだってのに！」
豪太郎「イリア、役者は揃った。我々も幕を上げるとしよう」
ねじ子「キャーッ！豪太郎さん？」
イリア「フィッティング中なんですけど、社長」
豪太郎「笑わないでくれイリア。人々のためにはこれくらいの三文芝居を見せてやらねばならん」
ねじ子「また中途半端にスカパーか何かで見てましたね？」
豪太郎「……わかる？」
ねじ子「もうウイング好きなんだから。でも、このタイミングで来たってことは」
豪太郎「私のカードを使いたまえ」
ねじ子「やりっ！」
豪太郎「バスタイムにはバラのエッセンスを……」
ねじ子「はいはい」