大富豪同人物語：Web連載版

――秋風吹きすさぶ池袋、トヨタアムラックス東京前。BMW Z3ロードスターから降り立つ一人の少女(声・川村万梨阿)。傍らには執事(声・清川元夢)
「お兄さまの道楽にも困ったものだわ。ご自分のお金をつぎ込むだけならまだしも、あんな女に入れ込んだりして。義理の姉にもなろうって人があれじゃあ……ねえセバスチャン」
「左様ですお嬢様」
「スケジュールによると今日はこの辺りでその、フリーマーケットみたいなのが開かれるのよね。どんな女か確かめに行かなきゃ」
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「ぶわーっ！なによこの体臭が複雑に混じった匂い！」
「あまり長居はしたくありませんな」
「帰ったらこの服クリーニングしな」
「あ、お嬢様！」
「うわー！」
「あぶない！あばれ台車だーっ！」
「きゃーっ！」
　がしっ！
「大丈夫？このフロア、男性向けだからキミみたいな子はあまり来ない方がいいぜ」(声・山口勝平)
「ありがとう。あの、お名前を」
「じゃ、オレ急いでるから」
「あ……」
「大丈夫ですかお嬢様」
「この本、さっきの殿方が落としていったのかしら」
「あまり中をご覧にならない方がよろしゅうございますな」
「（ちらっ）……こんなのがあの方の好みなのかしら」
「さ、お嬢様。これ以上お怪我をされては困ります。お帰りになりませんと」
「素敵な方だったわ……また逢えるかしら……」
――同日夕刻、豪太郎邸リビングにて
「お兄さまどう？似合うかしら」
「どうしたんだ？メイドの服なんか着て」
「たまにはこんな服もいいかなと思ったの。ねえお兄さま、猫の耳ってペットショップで売ってるのかしら」
「それは本物じゃないのかなあ。コスプレの衣装だろ？今度、ねじ子さんに聞いておくよ」
「ありがとう。私、なんだかあの人とうまくやって行けそうな気がしてきたわ」