■「文学新人賞」に応募する人々から。
島田：（前略）その中で一番ローコストな投資として、小説を書く。原稿百枚くらい暇にあかせて書いていく。（中略）そうこうするうちに、やっぱり１年に付きニ、三百枚の原稿は書けるよね。しかも定年を迎えるまでには経験も積んでいるだろう、辛酸も舐めただろう、病気もしただろう。辛酸を舐めて病気したら、普通の純文学は書ける、書く資格はある。
大森：ほんと病気の話多いですね（笑）。あと海外生活の話。やっぱり、ちょっと普通と違う経験をすると、これは小説になるなと思うんでしょうかね。
……１０年くらい前、新人賞に応募したことがあります。コバルトです。あらすじは、
「人生に疲れた三十路間近の女性ゲーム開発者が、奥手な年下の彼氏を連れて旅に出た先で、意外な事実――
実は彼氏は重度のギャルゲーオタで、お気に入りの１本をプロデュースした主人公に近づこうと後を付けていたら酔っぱらって道に倒れていたのを見つけてしまい、そこを介抱したのが出逢いのきっかけ
――を知り、なんだかんだあって一発やっちまったりそのあといきおいで会社をやめちゃったりするが彼氏とはラブラブを保った」
という、ぜんぜん読者層を考えてない上に、ところどころが病んだ内容でした……やっぱり、実体験とか苦労は、形を変えてでも人に語りたくなるものなんだよなあ。
でも、書いててすごく気持ちよかったんだよ！（力説）
なんて魅力的なお話なのだろう…。
もし完全版が残ってましたら読みたいです。
賞への投稿作は公開禁止なんでしたっけ。
お褒めいただき、光栄です(^^;。
応募作は公開禁止だったんです（これを公開しても集英社は損害を受けない気もするけど…）。
リライトしようにもオリジナルがもう見あたらなくって。すみません。