作者が一つのジャンルに傾倒するあまり、それまでの作品とは違った作風のものができあがることが、小説や漫画ではよくあります……今回がそうですね。自分でも、ずいぶん毛色を変えたものになってしまったと感じています。まあシリーズ丸ごとサッカー路線へという気持ちはないので、次回はなるべく本筋に戻した話にするつもりです。
今回の主な舞台はねじ子さんの故郷となりましたが、これは例によって私の実家付近がモデルです。田んぼばっかりのところではありますが、山向こうの競技場も、ヘリコプターの発着所も、ちゃんとあります（さすがにヘリで出勤してる人は居ませんが……）。サッカー熱はお話よりもっと盛んで、週末になると小学校のグラウンドでは練習や対抗試合が行われています。
最近のニュースによればＪリーグ入りを目指すチーム（＝現在Ｊ１・Ｊ２にいるチームとは別に、さらに下のリーグでがんばっているアマチュアチーム）が、全国に約４０チームもあるそうです。ほぼ、一都道府県に一チームはある様です。
また地域リーグの一つ「ＫＹＵリーグ（九州の８チームで構成されるサッカーリーグ）」では、今年の６月に９８６７人を集めた試合もあったそうです（ロッソ熊本×ＦＣ琉球戦）。Ｊ１の試合でも一万人を割ることはよくあるので（川崎も例外ではない……）それを考えれば地方でのサッカーの勢い、といったものを感じさせる話であります。
願わくば、その流れがいつまでも続かんことを。あ、やっぱりサッカーの話になってしまった。次回はできるだけ、本筋に戻した話にします。それでは、また。
２００５年８月
ぷぢ子さんのモデルになってくれた、みのうらさんに祝福を込めて。
オードリー羽田
おまけ
今回に限らないのですが、話を書いていくうちにどうしても最初予定していた「あらすじ」と離れていく事がよくあります。たいがいは勢いに任せて話を「曲げて」いくのですが（格好のいい言い方をすると「登場人物が動き出した」という）、そうするとあちこちで辻褄（つじつま）の合わないシーンが出てきてしまいます。今回はそれを防ぐために、
登場人物の進行表なるものを作ってみました（元データは、Excelで作成）。
最初の案ではもっと登場人物が多く、すじも少し複雑でしたが（ライバルチームが出現したり、豪さんが「ジュニオール池田」という偽名でＦＣ葵に参加しようとする）時間と相談しつつ話をコンパクトにしていきました。上記の表と最終稿にも少し違いがありますが、それは最後の最後で削ったり足したりした所です。よろしければ、ご参照ください。
主な参考資料
■書籍
「
サッカー監督という仕事」（新潮文庫） 湯浅健二
「
サッカーがやってきた ザスパ草津という実験」（ＮＨＫ出版） 辻谷秋人
「キャプテン翼シリーズ」（集英社） 高橋陽一
■雑誌・新聞
「
サッカー批評」 双葉社
「
サッカーダイジェスト」 日本スポーツ企画出版社
「
サッカーマガジン」 ベースボールマガジン社
「
ELGOLAZO（エル ゴラッソ）」 株式会社スクワッド
■テレビ
「目指せJリーグ！ ザスパ草津3 〜悲願達成！奇跡の1000日完全密着〜」（ＢＳ ＦＵＪＩ）
「
サッカーＴＶワイド」（ＢＳジャパン）
「
ファイト！川崎フロンターレ」（テレビ神奈川）
■ＤＶＤ
「
六月の勝利の歌を忘れない」（ポニーキャニオン）